岡県の生活困窮者とはどんな方々か


調査の趣旨・概要

生活困窮者とはどのような方々だろうか。生活福祉資金の借入は、生活に困っている方々と出会うための重要なきっかけの一つである。そこで、生活困窮者々のプロフィールの一端をつかむために、生活福祉基金を借入に来られた方々の状況を調べてみた。
県内の社会福祉協議会に、生活福祉資金の借入に来られた相談者にアンケートを取った。調査期間は平成27年1月22日から2月6日のほぼ2週間である。 160名の相談者があり、回答をいただけなかった99名を除き、61名から回答を得ることができた。


▶︎ 生活福祉資金はどんな制度なの?

低所得世帯や障害のある方のいる世帯または高齢者世帯へ必要な資金をお貸しすると共に、相談支援を行うことで経済的な自立を促進し、安定した生活を送れるようにする制度です。

調査結果

・生活福祉資金借入(償還)相談者アンケート集計(平成27年1月22日~2月6日)
・相談者数/160名(回答拒否99名)うち回答者61名



▶︎どんな方々か

1)性別は、無回答3%を除き、回答者の半数以上(59%)が「男性」で、半分以下(38%)が「女性」である。
2)学歴は、43人の回答者中、「中学卒」が33%、「高校中退」が8%、「高校卒」が40%で、高卒以下で8割を占め、「大学卒」はわずか5%である。
3)年齢は、「50代」が26%、「40代」が23%、「30代」が16%、「20代」が7%、「20代未満」が2%、64歳に至るまでの「60代」も含めれば、   現役世代がほぼ8割を占める。
4)回答者の85%が「お金」、33%が「仕事」、26%が「健康」に困っており、さまざまな悩みごとを抱えている。

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▶︎金銭

1)収入(月収)は回答者(37人)中、「0円」が38%、「5万円未満」が3%、「6万円から10万円」が14%、「11万円から15万円」が22%、「16万円から20万円」が13%と、単純計算をすれば、年収が240万円を切る人々がほぼ9割に達する。
2)貯金が「0円」の人々が93%を占めており、大多数の人が余裕のない状況にある。
3)借金は「無回答」7%、「していない」41%を除き、「している」が52%と半数を超える。
4)借金の額は回答者(17人)中、「10万円未満」が35%と3分の1を占めるものの、「11万円から100万円」が24%、「101万円から200万円」が29%、  「201万円から300万円」が12%と、比較的多額の借金を背負っている人が少なくない。

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▶︎仕事

1)①現在の仕事は「フルタイムの仕事(正社員)についている」人が11%で、「派遣や日雇いなど不定期の仕事についている」人が32%と、両者を合わせても仕事に就けている人は半数に達しない。一方、「仕事をしていない」人は55%に達しており、仕事に就くことの厳しさがうかがわれる。
2)就職活動は、無回答39%を除き、「積極的にしている」の23%と「時々している」の5%を合わせても3割に達しない。一方、「していない」が33%であり、何らかの理由で就職活動ができていない人が少なくない。
3)仕事をした経験は無回答を除き、「ある」が70%、「ない」が28%と、したことのある人が3分の2を超える。
4)これまでに、経験した雇用の形態は、働いたことのある43人中、「正社員」が70%、「パート・アルバイト」が51%、「契約社員」が21%、「派遣社員」が19%と、正社員経験者が多い。このことは回答者に年配の男性が多いことが影響していると思われる。
5)転職回数は、回答者(36名)中、「0回」が3%、「1回」が11%、「2回」が11%、「3回」が24%、「4回」が13%、「5回以上」が38%と転職を重ねてきた人々が少なくない。

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▶︎健康

1)体調は、「良好」が66%、「不良」が34%と、ほぼ2対1となっている。さらに、
2)障害は無回答13%を除き、「ない」が72%、「ある」が15%(手帳あり13%、なし2%)と、ほぼ6分の1の方が障害をもっている。
3)依存傾向をみると、お酒は「飲まない」が48%、ギャンブルは「しない」が64%で、ほとんどの人に依存傾向はない。
4)抑うつ傾向をみると、無回答の20%を除き、「気持ちの落ち込み」が「よくある」20%、「時々ある」21%、「たまにある」24%、「ない」15%と、有効回答者の半分を「時々ある」と「よくある」が占めており、気持ちが落ち込みやすいことがわかる。

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▶︎家族関係

1)結婚は「している」が39%に対して、「したことはあるが今はしていない」33%、「したことがない」26%と、離別・未婚の状態にある人が6割を占める。
2)家族との関係は、「良好」35%に対して、「家族はいるけど頼れない」34%、「頼れる家族がない」13%と、有効回答者の6割近くの方が家族を頼りにできない状況にある。

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▶︎食べ物・住まい

1)今、食べるものに「困っている」30%、「困っていない」67%と、およそ3分の1の人が、相談時点で食べるものに困っている。
2)現在の住まいは、(無回答14%のほか)「公営住宅」が71%と圧倒的に多く、住まいにおいても、余裕のない状況がうかがえる。
3)実際、住むところがなくなったことが「ある」人は、(無回答20%のほか)20%に達し、有効回答者の4分の1に達する。

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まとめ

生活福祉基金の借入に来られた方々は、全体的に見ると、正社員ではなく、家族にも頼れず、貯金もないなど、雇用、家族、金銭といった基本的セーフティネットを失い、その結果、借金をし、抑うつ傾向が高まっている。
今回の調査が、生活困窮者自立支援が機能するために役立てば幸いである。